2010年07月28日 横浜スタジアム

横浜vs横浜隼人

2010年夏の大会 第92回神奈川大会 準決勝

齋藤健(横浜)

「同じ相手に2度続けて負けない」横浜の強さを再確認

試合開始1時間前から、JR関内駅に電車が到着する度に多くの人が吐き出され、ぞろぞろと横浜スタジアムへ向かう行列となる。こうした光景を目にすると、神奈川県の高校野球熱は間違いなく日本一だろうと思える。

 実際、歴史を紐解いても横浜市を中心に野球は発展し、やがて高校野球の歴史も法政二東海大相模などが作ってきた。そして、80年代以降その中心となってきたのが横浜高校だ。いつしか、神奈川で甲子園を目指すすべての学校は“打倒横浜”なくして甲子園はあり得ないという思いになってきた。それを去年果たしたのが横浜隼人だった。91年秋に監督就任しゼロに近い状態からチームを作り上げて、18年かけて水谷哲也監督の情熱が掴み取った甲子園ともいわれたくらいだ。

「攻めて、攻めて、攻め隼人でいきます」というチーム作りは今年も変わらない横浜隼人。その勢いは初回、いきなりの三番中島の3ランと、さらに2死後四球と上畠の二塁打と稲垣の中前打で5点。試合の主導権を握ったはずだった。

しかし、「2年連続同じ相手には負けない」という横浜はしぶとかった。3回に大石の右前適時打と併殺崩れの送球ミスで2点を返すと、4回にもやや幸運な安打や失策絡みで好機を得て、八番齋藤健の中前打で1点差とする。そして、5回には荒木の中前適時打で追いつき、七番乙坂の安打でついに逆転した。

5点を失ったものの、2回以降は半ば開き直る気持ちで投げて見事に立ち直った齋藤健投手の好投も逆転を呼んだといってもいいであろう。 6回にも四番新井、五番荒木の短長打などでさらに2点を追加した横浜。7回にも2死から、青木、木藤の長短打でさらに1点を加えて、昨年苦杯を舐めさせられた横浜隼人の今岡投手を攻略した。

 結局2回以降、齋藤健投手は横浜隼人打線を内野安打一本に抑え、初回の5失点はまったく別の投手のことかと思わせるような見事な投球を見せた。

 昨秋の県大会では、桐蔭学園に初回で7点を奪いながら2回に9点を取り返される逆転負けという試合で敗退した横浜。その試合は少なからず、神奈川の高校野球関係者やファンには衝撃を与えた。その時、「時間はかかると思いますが、来年夏までには何とかしなくてはいけません」と語っていた渡辺元智監督。春季大会も慶應に敗退して、ノーシードで迎える夏の大会となったが、ここへ来て最後に残ったのはさすがといっていい。「今年の横浜は強くないからここまでこられたんです。選手たちがやっと自分たちの力量をわかって、こういう場面で何をするべきかということがわかってきたということだと思います」と、冷静に分析していたが、ノーシードであろうが、改めて王者横浜の強さを示したともいえよう。

 昨夏の準々決勝の再現はならなかった横浜隼人は、それでも多くの人々に、改めて横浜隼人の笑顔と全力疾走、そして常に仲間に声を掛け合ういい野球を認識させるに十分のものは示してくれた。

 水谷監督は、「あまりにもいい形で早く点が入ってしまったことで、どこかに逃げ切りたい、早く終わりたいという気持ちが出てしまったのかもしれません。ウチはどんな時でも、いつもチャレンジャーという姿勢でやってきています。甲子園に行って新チームは秋と春は苦労しながらも、最後にここまで来られたことは人間力や組織力が整ってきたのだと思います」とさばさばとしたようにも見えた。しかし、今岡投手のことに触れると、「ウチの学校にすごくいいものを持ってきてくれて、歴史を変えてくれました。周囲もそれを支えてくれて、3年生たちみんなに感謝しています」と、熱血漢は時に言葉を詰まらせ、目頭を熱くした。この思いが、今の横浜隼人の基礎を作ってきたのだということを改めて思った瞬間でもあった。

 そして、横浜隼人の選手たちは敗戦後の悔しい中でも、マスコミインタビューに囲まれると、必ずきちんと質問者の方を見て答えていた。これが、水谷監督の言う「人間力が整ってきたということなのか」と、大人の我々も学ばされた気がした。 

 負けてなお見事な姿勢の横浜隼人に、話を聞きながらも心の奥で拍手をしたい思いだった。

(文=手束 仁

夏の高校野球応援ソングを歌うマイロさん


そして、この試合、今大会のテレビ埼玉、千葉テレビ、テレビ神奈川の「2010年 夏の高校野球応援ソング」を歌うマイロさんも先日の千葉大会に続き球場観戦。

今日の横浜スタジアムは太陽が燦燦と輝き、野球日よりといえばまさしくその通り。
そして、さすが野球王国・神奈川。平日の準決勝ですが、球場には沢山のお客さんです。
今回は千葉の時と違い、横浜隼人の応援席の上の方から野球観戦。スライダーの曲がり等が分かりやすいとマイロさん

試合は共に守備の乱れが失点につながるケースが多く、捕手出身のマイロさんはゲームの間合い・流れについて注目して試合を見ていました。
今日の試合は、千葉大会の決勝と比べて、スコアリングポジションにランナーが進む事の多い試合だけにマイロさんも「キャッチャーはたまらないな~」と。
そしてゲームは横浜が5点差をひっくり返して逆転勝利。
「今岡君も良い投手だけど、それにしても横浜は良く打つね~。甲子園にも行きたくなってきた」と一投一打にかける球児を観てあの頃の野球への情熱がふつふつと沸いてきているようでした。




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(文=高校野球情報.com編集部)


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