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- 2010年夏の大会 第92回神奈川大会
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横浜隼人vs川崎北

今岡(横浜隼人)
夏男・今岡上り調子の好投で、横浜隼人連続出場へエンジン全開
第二シードの公立の雄・川崎北と昨夏悲願の初出場を果たした横浜隼人。大会中盤の好カードといっていいものだが、試合は序盤の攻防を制した横浜隼人がそのままリードをキープ。昨夏のヒーローとなった今岡が尻上がりの好投を見せて夏男ぶりを発揮した。
先制したのは川崎北で初回、上畠が死球で出るとバントで進め、草野がカーブを捉えて右越二塁打。わずか6球での得点だった。ところが、その裏横浜隼人は上野が左翼手グラブをかすめる二塁打で出ると、続く工藤がしぶとく中前へはじき返して7球で同点とした。さらに、中島も中越二塁打して工藤を迎え入れ逆転。川崎北の先発、下手投げの川下は3人を投げただけで降板することとなった。
横浜隼人は2回にも1死から上島が右中間三塁打すると、暴投で生還して3点目。
これで、試合の流れは横浜隼人に傾いた。
川崎北はここで1番をつけた濱田投手を送り込んで7回までは横浜隼人の攻撃を抑えた。
しかし、横浜隼人は一番からの好打順の8回にも、上野が内野安打で出ると、工藤とのエンドランが見事に決まり、工藤は好走よく二塁を陥れて無死二三塁。クリーンアップの犠飛で1点を追加できればいいという楽な気持から、四番大野がきっちり中犠飛を放って貴重な追加点を加えた。
試合そのものの流れとしてもさることながら、大会を見据えたミドルスパンの流れを見た場合でも3回以降点が取れないままだった横浜隼人としては、ここでいい形で得点したことが次へつながるという考え方を持つことが出来たのではないだろうか。
初回、お互いがアグレッシブに攻めて動きのある試合で始まったが、中盤はやや膠着。それをもう一度動かした横浜隼人が、終わってみればいい形で勢いをつけた。春季大会は3回戦で日大高に敗退したことで夏はノーシードで迎えることになった横浜隼人。
ここへ来て、エンジンがかかってきたという感じで昨年の代表校らしい貫録を感じさせるようになってきた。立ち上がりに1点を失いこそしたものの、今岡投手はスライダーとカーブの配球も巧みで、後半は随所に得意のシンカーも交えていい感じの投球を披露していた。菅野捕手のリードも冴えていたといっていいだろう。
6月の練習試合では菅野捕手には特に厳しく当たっていた水谷哲也監督だったが、それに耐えてゲームキャプテンに指名され、心身ともに大きく成長して本番に姿を現した。そんな選手の成長を水谷監督は嬉しそうに見つめていた。「夏の大会になったら、監督はもう観客の一人になった方がいいんです。今日は、そうならせてくれました。ここへ来ていい雰囲気になってきたと思います。『今日は、逆転で勝とう』と試合前に言っていたんですが、本当にあっさり点を取られてしまいました、『お前ら言うことききすぎや』と言って笑ったんですけど、すぐ返してくれましたから」と、終始笑顔だった。
攻撃としては特に、二番の工藤が粘りの打席を見せ、初回と8回といずれもしつこさを示して、いけいけ野球の得点に絡んでいるのも、昨年の横浜隼人に似てきたところである。
あっさり先制しながら、守り切れなかった川崎北。持ち味の攻撃野球も中盤以降は今岡投手に封じ込まれてしまった。
佐相眞澄監督としては、当初のゲームプランが早々に崩れてしまい、その修正がきかなかったことを悔いた。「川下先発は奇策でもなんでもなくて、予定通りです。組み合わせが決まった時から、横浜隼人戦は下手投げの川下でいくつもりで、本人にも伝えていました。一巡は持ってあとは引っ張れるだけ引っ張って濱田へつなぐという予定だったんです。ゲームプランを試合の中で修正出来なかったのは、メンタル面の弱さもあったのかなぁ…、弱気になって盗塁も出来なかったし」。さすがの佐相監督もいささか弱気になった。 それでも最後は、「また次からも、挑み続けます」と気持ちを取り直していた。
(文=手束 仁)


























