2009年10月24日 皇子山球場

神港学園vs近江

2009年秋の大会 第62回近畿地区高校野球大会 1回戦

横川駿(神港学園)


神港学園が番狂わせを演じる!

 「きょうのこの試合のことしか考えていませんでした。次のことなんて、もう。うちは1勝しただけでは苦しいですから」 神港学園・北原監督が試合後にそう話したのは自らの置かれている現状が苦しいからだ。

 兵庫県を3位で突破した神港学園にとって、来春の選抜に出たければ、この近畿大会でたった1勝しただけでは届かない。ましてや、残りの兵庫県勢2校がともに、初戦を突破しているだけに、その思いも強かった。

 ただ、それは、「2勝する戦い」を目指すという意味ではない。ひとつの戦いに臨み、勝ち抜いていく。挑戦者として一戦一戦、目の前を叩いていくという意味であるのだ。北原監督は「挑戦者ですから」と、自分たちの現状を認識しているようだった。

 とはいえ、3位校が通年、圧倒的不利な状況かというと、決して、そうとは言い切れない。意外と3位校でも大会を勝ち抜けるだけの力を持っている時もあるのだ。03年秋の近畿大会では大阪3位の大阪桐蔭が優勝しているし、05年秋にも、同じく大阪3位の履正社が頂点にたっている。後がないからこそ、粘りも生まれ、メンタル面で相手を凌駕したりするものなのだ。

 きょうの戦いぶりでは1死で走者を出しながらも、犠打で送り、2死からの得点圏勝負という局面を作り上げて、ことごとくかった。北原監督の野球の中には「ツーアウトベースボール」という信念があるそうだが、ツーアウトでも粘り強く得点を挙げられた背景には、そうした彼らの挑戦者としての気持ちが働いたとしても、決して不思議ではない。

 4-2という決して快勝とは言えないが、そつなく勝ち抜いた神港学園。さて、次なる対戦相手は優勝候補の一角・PL学園を接戦の末に破った福知山成美だ。彼らのチャレンジャー精神がどこまで福知山成美を圧倒できるのか、見ものである。

(文=氏原英明


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